飲んでも酔えない酒

基本的にずっと缶入りの安酒を飲んでいた。
大抵500ml入りのロング缶を購入していた。

かなり長い間氷結やストロングゼロの度数の高い酒を毎日購入。
カートンで買うと延々飲んでしまうので恐ろしくて買えない。
しかし不味い。どれもまずい酒をシロップと甘味料と香料で胡麻化しているし。
甘いしどのメーカーも同じ味がする。

比較的タカラCANチューハイの味がマシだったがストロング缶より数十円円高い。
3本買ったらストロング缶一本分高いという思考になる。
ストロング缶と合わせてCANチューハイのロング缶を購入するようになる。
だんだん安い酒を飲むのが嫌になってきて、CANチューハイばかり買うようになる。
しかしその味にも飽きてくるし酒代がかかる。

やがて角ハイボール9％ばかり飲むようになった。
角のボトルがハイボールロング缶4本の値段より安いので、そちらを薄めて飲むようになる。

不思議と原液を薄めて飲むと酔えない。何故かわからない。700mlボトルが二日もたない。
一人で一日でボトル一本を空けるのが怖くてブレーキがかかった。
酒を飲む時間が長くなるので寝る時間も減ってくる。
ボトルに酒が残っているという事で、まだ飲むことが出来るという感覚が無意識に働くのだろうか。
全く理由がわからない。

焼酎をお湯割りやらソーダ割にしても同様だった。
そもそも酒は美味いと思ってなく、風呂上がりの麦茶の方が美味いと感じていたくらいだ。

サントリーレッド飲むようになったら人間おしまいだという謎のプライドで、結局缶入りハイボールに戻った。

でも僕の体は色々手遅れになっていたのだった。

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